2007年 10月 25日
権萃(ごんずい) Minolta AF85/1.4初期型、F3.2, 1/160、ISO 200, -1/3 あれこれレンズを向けて、じっと眺めるようになってから、花の 美しさに魅せられて、名前が知りたくなったのが泥沼の始まり。 基礎知識が皆無だから、調べるのに一苦労。何十、何百とある 花を次々とあたって行くと1,2時間はあっという間(苦笑) でも、まあいいや。何でも初めはこんなものでしょう。 苦労が多いから、喜びも大きい。 秋が深まるとともに、木の実にも目が向くようになった。 なかでも真っ赤な果皮が裂けて、1つか2つの黒々とした実 が覗いている姿は目に鮮やかでとても目立つ。 漆黒の実はてらてらと黒光りして、それが真っ赤な、まるで花の ような果皮と好対照で、とても印象的。へたをすると、花より綺麗。 これが権萃の木。今この時期に散歩をすると、あちこちで見かけます。 権萃の花は初夏に咲く。枝先の花は黄緑色で小さく、目立たない。 ど素人の我々は、先ず気付くこともない。 秋の実の鮮やかさと好対照だ。 ところで権萃と言えば、普通はまず魚のゴンズイを思い浮かべる。 湾内を群れを成して泳ぎ、一匹釣り上げると次々に掛かって来る。 背鰭の棘に毒があり、刺されると猛烈に痛いので嫌われ者だ。 なぜ、魚のゴンズイと同じ名前なのか、といえば、木材としての 権萃が脆くて役立たずだから、嫌われ者の魚の名前と同じにした、 という俗説があるが、これは、かなり怪しい説だと思う。 諸行無常・盛者必滅の意味で天人といえどもやがては衰え、 五衰を見せる、という仏教用語の五衰(ごすい)がごんずいへと なまったものだ、という高尚な説があるが、今度は高尚すぎて、 真偽の判断の仕様もない(苦笑) 因みに三島由紀夫の小説「天人五衰」は、この仏教用語に因む。 権萃は別名を「狐の茶袋」「黒臭木(くろくさぎ)」とも言う。 前者の方が権萃よりましではないかと思う。似た実に 「ミッキーマウスの木」というのがある。なんでディズニーランド風の 名が付いているのか、と疑問だが、狐の茶袋とならんで、覚え易い ところが良いと思う。
by hanmaondo
| 2007-10-25 21:33
| 植物
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