2009年 03月 27日
2009年3月14日八王子市堀之内東京薬科大学薬用園 Voigtländer Apo-Lanthar 90/3.5 SL 低地や山地の林内でやや湿った場所に生育する延齢草はとても地味な花です。花の色が緑色から小豆色まで様々なのですが、緑色は保護色みたいなものですから、目につかなくて当然でしょう。ましてや仲間と語らいながら賑やかに歩くハイカーたちには、先ず気づかれません。 気付かれにくいけれど延齢草は、一度目にすると形がユニークなので、すぐに「ああ、これは延齢草だ」と分かります。30から40センチの高さをもつ茎の先端から大型で丸みを帯びた菱形の葉が三枚、茎から直接出ています。花はその葉が3枚広がる中心から短い花柄を延ばして、こちらも3枚花びらが少し横向きに出ています。 ユリ科エンレイソウ属は東アジアから北アメリカ大陸に分布している多年草です。延齢草は九州から北海道、更に樺太まで分布しています。花が白いせいで少しは目立つ白花の延齢草(シロバナノエンレイソウまたはミヤマエンレイソウ)、その白花が大きい大花の延齢草(オオバナノエンレイソウ)などの仲間があります。 赤紫色の花が見事な小島延齢草(コジマエンレイソウ)は、東北北部または北海道までいかないと見られません。白花の延齢草や大花の延齢草も同様です。 延齢草は有毒ですが黒く熟した実は食用になります。地下茎を煎じて飲めば食あたり腹痛に効き、中国で延齢草根という名の胃腸薬だったところから延齢草という名前がとられたのだと推察できるでしょう。 ところで同じ仲間で北海道に成育する大花の延齢草(オオバナノエンレイソウ)は白い花を咲かせるまで10年から15年かかるそうです。他の仲間も大器晩成型で時間がかかるのかもしれません。
by hanmaondo
| 2009-03-27 20:32
| 植物
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